腐向け小説
□飴
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【弟者視点】
今日は、2月14日でバレンタインデーだ。だから、チョコを作ってみた。
おついちさんのは、甘さ控えめのにして、兄者のは、これでもかと甘くしてみた。ただ、兄者はこういうのが興味ないと思うから作ったはいいものの渡す勇気がない。
「あ、おついちさん、はいチョコ。」
「ああ、ありがとう。」
今日は、兄者が仕事だからおついちさんと撮る約束をしていた。だから、朝に見るのがとても新鮮というかなんというか・・・。
おついちさんが専用の部屋に入ると、兄者が起きてきた。時間が無いはずなのに、ゆっくりと座っている。
「兄者、時間大丈夫なの?」
「ん?・・・ああ、じゃあ行ってくる。」
兄者はすこし残念そうな悲しそうな顔をしながら玄関に向かった。兄者を見送るのは俺の役目だ。だから、兄者の後をついて行って玄関に向かった。
「兄者、行ってらっしゃい。」
「ああ、行ってくる。」
そういって、俺の頭を撫でて額にキスをした。それがすこし嬉しくて兄者が行ったあと、その場所をすこしだけさすってしまう。おついちさんはその様子を見ていたのか、にやにやと笑っていた。
「まったく・・・ほら、撮るよ。」
「はーい。」
今、俺は超ご機嫌である。
ゲームは全クリするまでそこまで時間もかからなかった。それに、面白かった。
俺とおついちさんと話して、どこかに食べに行こうと話になった。そして、兄者のことでお願いをした。おついちさんは、快く引き受けてくれた。
安心していると、ドアが開く音がした。まさかと思い、お願いを遂行するため俺は自分の部屋に息をひそめて隠れた。
「兄者、お帰り。」
「おっつん・・・弟者は?」
「あー、はいはい。今は買い物に行ってるよ。」
「おっつんは・・・チョコもらったか?」
「もらったよ・・・兄者はほしい?」
「そりゃもちろん。あいつが作ったのならなんでもほしい。」
「そっか。」
おついちさんの問いに即答している兄者は、すこしだけ面白かった。なんだ、そんなに欲しかったのなら戸惑う必要なかった。
「あ、兄者・・。」
ドアを開けて兄者の前にでる。兄者はびっくりしながら俺の顔をみていた。俺の手には兄者に渡すチョコを持っている。
「ちょ・・・買い物って・・。」
「嘘だよ・・・それと、はいチョコ。」
「・・・やったー!あったー!!」
とても嬉しそうにチョコを受け取っている兄者を見て、俺もとても嬉しかった。
そのあと、兄者にホワイトデーは楽しみにしていろと言われたから、期待することにする。
おついちさんも嬉しそうにこちらをみていたし、おついちさんにも期待をしよう。
「弟者、愛してるよ。」
「・・・俺もだよ、兄者。」
おついちさんはその後、「一人にするな!!!」と怒られたのだ。