腐向け小説
□弱肉強食
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【弟者視点】
兄者がなぜか熊になってしまったようだ。というか、熊のカチューシャ(?)なるものを付けている。
ちょっとかわいい。いや、でもなんか食べられるのはいやだわ。
「兄者、どうしたの?それ。」
背の高いクールな兄者に似つかわないかわいい熊の耳を指さす。兄者はニヤッと笑いながら俺の近くにくる。
「俺は悪い熊ではない。」
「いや、なに言ってるの。」
「・・・。」
ちょっと・・!怖い怖い。めちゃめちゃこっちみるじゃん!
「た、食べられることはないってこと・・・?」
兄者の顔が悪そうにニヤッと笑ったのがわかった。
嫌な予感がする、そう思った。
「俺は悪い熊じゃない。」
「うん。いや、それはわかったから。おかしくなった?」
俺が手を伸ばして兄者の耳を触ろうとするが、その手を兄者がつかむ。
「な・・なに?」
「弱肉強食の自然界で生きるため、他者の肉を食らう事は悪くない。」
「あ、にじゃ?」
俺は逃げようと腕を引こうとするが、兄者が腕を離してくれない。
「よって、俺がお前を食べたとしても俺は悪い熊ではない。」
「っは?」
兄者がつかんでいる俺の手を舐めた。
食べるってそういう意味かよ!
兄者がどんどん舐めている。その姿を見ると、やったときを思い出してしまって顔が赤くなる。それを見られない様に顔を隠す。
「弟者。」
「なっ・・・んっ・・ちょ、まっ・・。」
兄者がキスをしてくる。舌を絡めていると、腰がぞワぞわする。
あ、やばい・・・。腰が抜ける。
ガクッと落ちそうになる俺を、兄者が片腕で支える。もう片方の腕で兄者の口からはみ出している唾液を拭う。
その光景がゾクゾクさせてくる。
「兄者・・?」
「弟者、いただきます。」
そういって食われました。
⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯⋯
⋯次の日⋯
「兄者ー!」
「どうした?」
「んふふ。なんでもない。」
「なんだよ・・。」
「呼んでみただけー!」
このとき兄者はまた襲うと決めたのであった。