DB短編集

□Gogeta
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「よし、飲み放題だから浴びるほど呑もう!」


「名無しその言葉しっかり覚えておいてね!!」




今回もいつもの女性メンバーで集まっていると、メンバーの一人が名無しに強くお酒を勧めてくる豪酒であり、今回も名無しがその餌食となっていた。





「名無し、二杯目何がいい?」

「うん? ああ、柑橘系もありかな〜」

「名無しもう出来上がってるんじゃない?」

「いつも誰よりも飲みたがってるのに1番お酒に弱いのは名無しだもんね」


彼女達にとって名無しがこうなるのは当たり前の事で、今も顔を真っ赤にしながらまだいけるなんて言っている名無しを見て皆んなで笑うのがいつものお決まりだった。





「んで?あの彼とはどうなったの?」

「二人でご飯を食べに行くところまで成功した」


と皆んなそれぞれ持ってきた恋愛ドキドキシチュエーションの話は周りがだいぶほろ酔い雰囲気になってきたところで始まるのだ。


彼氏がいたりいなかったり、いろんな話が飛び交う中、今回も真っ先に潰れた名無しはニコニコしながら相槌を打っていた。


「名無しは、どうなの彼氏とは?」


うふふふふ〜と気持ち悪いくらい幸せそうな顔をしてその幸せを説明し出す酔っぱらいに周りはハイハイ幸せそうで良かった、と簡潔に返事をしてお冷を頼んでやるのだった。






もう!と長く聞いてもらえなかった事でムッとしながらも、直ぐに届いたお冷を口にした後、ちょっとお花畑に行ってくるねと言うと、名無しはふわふわとした足取りで席を外した。




名無しが席を立ってから直ぐに飲み屋特有の木造のテーブルの隅に置かれていた名無しの携帯から着信音が鳴った。



「だ、ダーリンって書いてあるんだけどw」


ほら、見てみて、と携帯の近くに座っていた豪酒の友人がその着信画面を他の友人に見せようと手にとったところ、誤って応答のボタンに触れてしまった。



「どうしよっ!?え、あ!もしもし....えっと、すみません。」


『名無し?じゃないな』



何故か咄嗟に出てしまった友人は名無しのそのダーリンと言う相手に今飲んでいる店の名前を教えてしまったのだった。

電話を切り、元に戻して数人で冷や冷やしながら数分で戻ってきた名無しに今起きた出来事を説明すると、





「う、そ…終わった」


この流れでは確実にここへ来ると理解した名無しの赤くなった顔が少し青ざめてきた様子とは裏腹に周りは「何で?良いじゃん!名無しの彼氏見てみたい!」
とまた新しいお酒を注文するのだった。






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