短編
□星々の想い
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ある日、秀麗が静蘭と買い物から帰ってみると、なにやら緑色のフサフサしたものが門から出ているのを見つけた。
「…………何あれ」
「竹、ですね」
冷静に答えた静蘭に、秀麗は拳を握りしめふるふると震える。
「そんなこと聞いてるんじゃないのよ静蘭。わかってるわね?」
「……はい、すみません」
秀麗にはとことん弱い静蘭である。
「ったく、あの坊ちゃんは何考えてんのよ、竹がどーしたっていうのよ、緑の多い庭に緑をどうぞって!? また嫌がらせ――!?」
もはや送り主は決定だ。そして秀麗の推測は当たっていると静蘭は思った。
(まったく……今度は何と言ってあの狸ジジイに騙されたんだ?)
馬鹿で不憫なかわいい弟を思って、静蘭は苦笑まじりのため息をつく。