頂物
□願うは、鮮やかな未来
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蒼い、抜けるような昊
本日、快晴なり−−
「−−んーっ!いー天気だ!昼寝日和だな!」
燕青は原っぱに寝転がり、ぐーっと伸びをした。
傍らには相棒の棍。
「ん?お前も気持ちいーだろ?」
相棒を愛でるように撫でる。
手に馴染んだ感触を楽しむかのように、しばし表面を撫でた。
此処は故郷から遠く離れた地、彩八仙に加護されしまほろばの地。
空も故郷より透明な気がする。
(多少はキレーでないもんも居た方がいいのに)
幼少期に山で育った燕青は、それこそ色々『見た』
綺麗過ぎるのは逆に気持ち悪い。まぁ、小さいモノからしたら此処に入るだけで自殺行為だから仕方ないのだが。
「…俺のやったも自殺行為かー。てか、その前に静蘭に殺されるか」
ハハハと乾いた笑いをし、先程の秀麗の様子を思い出し−−無意識に微笑んだ。
秘めていた想いをとうとう口にしてしまった。
絶対言わないと決めていたのに、言ってしまった。
それこそつい、ぽろっと……
しかし、後悔はなかった。彼女を守ると決めたこと同じくらい、後悔はなかった。
もとより、後悔するくらいなら気持ちは持たないし、打ち明けることもないだろう。
「…ずっと一緒がいいんだ、なんて俺もがきんちょみてーだなー」
秀麗の気持ちは聞かずに来てしまったが…表情で分かってしまった。
それくらい、彼女のことをずっと見てきた自分には造作もないことだった。
未来を望まなかった自分が望んだのは、極彩色の未来。
それは、自分の全てを差し出してもいいと思えるような存在に出会ってしまったから…
「一人じゃないって、いーもんだな」
そう一人ごち、再び昊を見上げ、燕青は太陽のように笑った。
悠羽様。
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=御礼=
オフ会、ありがとうございました。
その上このような短編までくださって……ありがとうございました!