短編

□豆腐日和
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「どこへ行く」
 出かける用意をしていると、龍蓮が後ろから声をかけてきた。
「お買い物。お豆腐食べたいんでしょ?」
「私も行く」
「ええ!?」
 秀麗はどうしようかと思った。このハデハデ男と一緒に歩いていたら、絶対に一目を引く。そして千歩引かれる。
 だが龍蓮はなかなか引かないと知っていたので、秀麗は諦めた。
「はい」
 秀麗は手を差し出した。わけもわからず龍蓮はその手を握る。
「行きましょ」
 秀麗はにっこり笑ったが、内心はかなりホッとしていた。
(これで往来で笛吹かれないですむわ……)
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