「まずケーキを食べるだろー」 「うん(まぁ、主にブン太がね)」 「んでイチャイチャしてー」 「うん」 「0時になった瞬間にキスしてー」 「ふふ、ええね」 「それからエッチしてー」 「…うん」 「朝までイチャイチャ!」 「…なんか、ほとんどイチャイチャしとる一日やのぅ」 「そりゃそうだろい。何だよ、いやなのかよ」 「そんなわけなかろ。むしろ一日中ブン太といれて嬉しかよ」 「…あ、当たり前だろい!」 「なに、照れとるん?」 「照れてねーよ!」 「まーたまたぁ」 「っるせー!」 「ふ、かーわいいのぅ」 なんて、甘い会話を昨日したばかりなのに。 「今日の欠席は丸井だけだな」 ブン太は風邪をひいてしまったらしい。 12月3日、今日はバースデーイブ。 だから今日はブン太がうちに泊まりに来る予定だった。 だけど、風邪を引いてしまったんじゃしょうがないし、体調も心配だし、今日はあきらめよう。 と、思っていたところにブン太からメールが届いた。 from ブン太 sub ごめん 風邪ひいちゃった…。でも、仁王んちには行くから!部活終わったら連絡シクヨロ☆ ---END--- あまりにも一方的な内容に苦笑してしまう。まぁ、ブン太らしいといえばらしいのだが。 しかし、来てもらうわけにも行かない。いくら行きたいと言われてもブン太は病人だ。どの程度の風邪なのかは知らないけれど、大事にしておくにこしたことはない。 ブン太にメールを返信して教室を見渡せば、いつもより空気が静まり返っているような気がする。 ブン太がいないだけでこんなにも違うものなのかと感心したら、っくしゅっとくしゃみが出た。 to ブン太 sub Re:ごめん 無理せんでええよ。見舞いに行くから家にいとき。 ---END--- 送信したメールの内容に納得してくれたのか、もしくは諦めたのか、そのあとブン太からの返信はなかった。 早めに部活を終わらせてブン太の家へ向かう。早めに終わらせたと言っても辺りはもう真っ暗で、しかも寒い。 冷えた手をポケットにいれて温める。本当は手袋をしたいけれど、手をつなぐときに邪魔だとブン太に言われてからはずっと使っていない。健気だなあと自分でも思う。ああ、早くあったかい部屋に行きたい。 ポケットの中は一人じゃあまり温かくなかった。 それにしてもブン太大丈夫なんかのう。もし、高熱とかですごく辛い風邪やったらどうしよ。あ、薬とか買ってったほうがええんかな。いやいや、薬はブン太のおかんが用意しとるやろうし…。プリンでも買ってったろうかなあ。ブン太のことじゃ、何かしら食べればすぐによくなりそうやし。プリンなら食べやすいやろう。うん、そうしよ。 頭の中でぐるぐる考えてプリンを買うことにした俺は、ブン太んちに一番近いコンビニでプリンとついでにポカリを買った。 コンビニから出たとき、ふいに携帯が鳴る。送信元は。 「ブン太?」 ブン太からのメールになんとなく嫌な予感がして、急いで内容を確認する。 from ブン太 sub やだ! 今から仁王んち行くから! 来なくていいからな! ---END--- ああ、予感的中。 メールを確認した直後、急いでブン太の家へと走りだす。 まだこの辺にいるはずだ、と半分希望的予測をしてとりあえず走った。 やっと見つけたブン太は、ブン太んちから歩いて5分辺りにある公園の前を歩いていた。 黒のダウンジャケットに白のニット帽を身につけて、一応防寒のつもりなんだろうけど、急いでいたのか靴はサンダルだった。 ったく、世話のやける…。 さらに走るスピードをあげてブン太に追い付くと、後ろから腕を引いて無理矢理振り向かせた。 振り向いたブン太は驚いたように目を見開いている。 「仁王…!?」 「はぁっ…、ったくオマエは世話の、やける…、」 息がきれてしまってうまく話すこともできない。とりあえず今は息を整えなくては。 「何でここに、…てか部活は!?」 「部活は、早めに、終わらせてきた」 「早めに…」 言ってやりたいことは他にもあるけど、とりあえず。 「ブン太んちに、早く行きたかったんよ」 やっと息も整いはじめてブン太に言葉を返せるようになる。 近くにある外灯で逆光になり、ブン太の表情の細部までが読み取れない。わかるのは、熱の所為で目にキラキラと光が携えられていることだけ。 「だって、俺が行くって言ったじゃん!」 「見舞いに行くって言ったじゃろ?」 「でも、オマエ明日誕生日なのに…」 俯くブン太の目線の先には多分自分のサンダルだろう。見ているだけで寒い足下を俺も一緒になって見つめる。 「誕生日なんかええから、ほら帰るよ。そんな寒いかっこして…」 そう言って自分の着けていたマフラーを無理矢理着けさせる。それからブン太の手をとった。俺の手は大概冷たいから、温かいというよりも熱いブン太の手にどきりとする。 「仁王、手冷たい…」 「ごめん、離す?」 「やだ」 「…あそ」 それきりブン太は家につくまで何も話さなかった。 いつものブン太らしくなくて、やっぱり熱で弱ってるのかなとか、そんなブン太も可愛いかもしれないとか、そんなことを考えてしまって、俺の方こそ病気じゃなぁと思った。 家に着いて、コンビニで買ったお見舞いを渡す。 「これ、プリンとポカリ」 「…さんきゅ」 「ちゃんと休むんじゃよ」 「…ん」 「じゃあ」 そう言った瞬間、誰がみても「さみしい」とわかるような表情をされてしまえばどうしようもなくなってしまう。 さすがに今家にお邪魔してしまったら、自分が自分でなくなる自信がある。 「…仁王、これありがとう」 寂しい瞳をしたブン太が無理矢理着けさせたマフラーをさしだす。どういたしまして、と受け取ったそのとき、 「!」 ぎゅ、とブン太に抱きつかれていた。 息が熱い。触れているところ全ても熱く感じる。 「…ブン太?」 「あの、今日、…ほんとゴメン」 「ええって、べつに」 「でも、おれ…」 「じゃあ、プレゼント。明日取りにくるから。ちゃんと治しておくように」 珍しくしおらしいブン太を納得させようと、手を頭にぽんと乗せながら言った言葉に、ブン太はばっと顔を上げた。頬がぽうっと赤く染まっている。熱のせいだけではない赤さ。 「おう!とっておきの、用意しとく!」 そう言ったブン太は今日初めての笑顔だった。その笑顔に笑顔を返す。 「じゃあ、そろそろ家の中に入りんしゃい。風邪、わるなってまうよ」 「うん。じゃあ、」 「お大事にな」 玄関の門の前でブン太が中に入るのを見守る。中に入るのを確認しなければ、いつまでも俺を見送ろうとしてしまうかもしれないから。 玄関に入ろうとして、もう一度こちらを振り替える。 「仁王!来年こそは、絶対にちゃんと祝ってやるからな!」 そう言って、ブン太は家の中へと消えていったのだった。 家に帰る途中、今日の出来事をふりかえる。 ブン太が言っていたようには祝ってもらうことができなかったけれど、それよりもずっといいものをもらった。 さらりと「来年こそは」と言って、来年も一緒にいることを約束してくれた。 それだけで、誕生日という日があってよかったと思う。 from ブン太 sub 無題 仁王、愛してる! ---END--- そんなメールを受け取って、寒空の下じんわりと心が温かくなった。 ほんのりとブン太の香りがうつったマフラーを身に付ける。 熱いブン太の手の温もりが消えないように、そっとポケットに手を入れた。 そんな今年のバースデーイブ。 「来年こそは」 君と一緒に。 あわわわわ、超駄文でごめんなさい!!納得いってないのにupしてしまった…。無駄に長い。無駄になげぇんだよぉぉお!明らかに無駄が多いんだよぉぉぉお!はぁはぁ、すいません落ち着きます。最初は誕生日にもかかわらずブン太に振り回される仁王がテーマだったんですけど、あれ、振り回されてるのかコレ?みたいなよくわからない感じになってしまいました。ただ一つ、サンダルを履いてきちゃったブン太はお気に入り(´ω`)サンダルて!!普通ないだろー、みたいなそんな感じ。(どんな感じ?)あああ、でもいつか書き直したい。てか誕生日小説なのにこんなんでごめんねとニオブンに伝えたいです。 ちなみに、仁王が次の日もらいにいこうとしているプレゼントはブン太です(*´`)ブン太のプレゼントは自分です(*´`)ニオブンって萌えるなぁ。 あとがきまで無駄に長い。こんなとこまで読んで下さってまじまじ感謝です。じゃんぴんぐ土下座! |