アンジェリーク

□待ち人
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生まれて間もない新宇宙。
その初代女王として選ばれたアンジェリーク・コレットは今、故郷の宇宙を救う為の戦いに出ている。


女王の前では平静を保ち、笑顔で見送った優秀な女王補佐官、レイチェルであったが…。




彼女は荒れに、荒れていた。










バキバキバキイッ!!!


聞こえてきた音に、王立研究院から新宇宙への派遣研究員、ロミオはびくびくと震えた。


「れれれレイチェル様…またですかっ」


ガチャリと扉を開けて女王補佐官の執務室へと入ると、補佐官レイチェルは机に向かってぶるぶると震えていた。
手にはペン……だったもの。今は砕けてレイチェルの手はインクまみれだ。


「ヒイイ!!レイチェル様っ!早く拭いて下さい!!しょ、書類が大変なことになってますよ!!!」


慌てて駆け寄るロミオを、レイチェルはギラリと睨み付けた。


「…書類なんかどうだっていいんだヨこの際…!
アナタそれより我らが女王陛下が心配じゃないの!!?」

「は!?そりゃあ心配ですけど!だからって書類をこんなに…」

「あああイヤ!!ワタシのアンジェが!!
やっぱりワタシも神鳥の宇宙に行くから!
後ヨロシクね!研究員A!」

「ぎゃああ待って下さいよレイチェル様!!貴女女王陛下に待ってる宣言したんでしょ!!?
大人しく待ってて下さいよ!!ていうか何ですか研究員Aって!!」

「は?アナタ名前あるの?モブじゃないの?
ていうかアンジェ以外の人物のこと覚えてらんないから」

「補佐官様でしょうが貴女ー!!!」


ロミオの絶叫が新宇宙の宮殿内に響く。
が、もう宮殿内の者は慣れてしまっているので誰が駆け付けることもない。

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