storys

□Decide
1ページ/1ページ


「最年長戦士として頑張ろうな」

そういって菜々香が僕に手を出す

いままで何かと対立してきた僕にとって少し驚いていた

今年は最年長


戦士二年目で最年長だなんて荷が重い

けど、やるしかない

僕の後輩も入ってくる訳でまとめないといけないんだから



菜々香は一年目からリーダー的存在だったから
楽勝かもしれないけど



僕は渋々、菜々香と握手を交わした


「なんやねん。その不満気な顔!!」

「うん、ビックリして...」

菜々香は僕の言いたいことがわかったのか、それ以上何も言ってはこなかった

そして一言だけ

「あんたのそういうとこがムカつくねん。ほっとけないんや」

とだけ言って寿々華のところにいってしまった

いったい何だよ
いきなり握手したりムカつくって言ったり...
じゃ僕はいったいどうすりゃいいんだよ

それから菜々香は僕を避け始めた

何か悪いこと言っただろうか?
検討もつかない


ただ
あのときの菜々香の言葉が自分の頭の中で何回も繰り返される


わからない

女子の気持ちなんてー
というか面倒だ

いきなり怒ったり泣いたり笑ったり



別に避けられるくらいどうってことない

でも気になるんだ
時々、悲しい目で見つめてくる視線が

帰り際
僕は菜々香を引き止めた

「おい、なんで避けてるんだよ!」


「別に避けてない」


「避けてるじゃん。この間のことが原因?」


「そうやない」


「いや、そうだろ?」


「あんた何もわかってない!!!まだ気づかへんの?」



言ってる意味がわからかった


なんで菜々香がいきなり泣き出す必要があるのかー

僕のせい?


どうしていいのかわからなくなった僕は

菜々香の頭を優しく撫でていた

「あんたのその中途半端な優しさが嫌なんよ!!いい加減気づいてくれへん?」


「ん?」


「うちは、あんたが好きなんよ!!」









言葉が出てこなかった

菜々香からのいきなりの告白
そして目の前には泣きじゃくる菜々香


僕は
菜々香を抱き締めた


「これだったら中途半端じゃないだろ?
僕は恋愛には疎いんだな
ってかすべてだな」


「だからほっとけないんよ!!!
これからもうちが付いてないとあかんな」


「うん。よろしく」

楽屋で2人きり

そしてこんなに顔が近い
すこしドキっとした
僕は一気に顔が赤くなった

「僕もさ、菜々香が好きだよ」

「今ごろ遅いねん」

「すみません」

End
 

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ