短編

□これからは
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さすがは短距離ランナー
持久力はそこまでないらしい

まぁあれだけの全力疾走を長距離続けられるのならたいしたものだ




「よーやく捕まえた」


彼女の腕をしっかりと掴む







「…悪かったよ」




本当に悪かった
すっげぇ酷いこと言ったよな、ごめん

そう言って彼女を腕の中へ閉じ込めた



「あれは嘘だから…俺の彼女はおまえだけだから」






「…ッすっごい哀しかったんだよバカ梓!!!!」


「うん、ごめん」


「どーして…ッどーしてあんな断り方したの!?」


「…相手傷付けたくなくて……ごめん」









そう、俺は部活の休憩中に呼び出され告白をされた
俺はモテないから告白なんて滅多にされなくて、どうしていいかわからなくて正直焦った



でも俺には大好きな彼女がいるから、そう言えばよかったのに、俺は自分で彼女のことを言うのが恥ずかしくて




"ごめん、悪いけど今は部活に専念したいから彼女とかは…"





そう言ったんだ






それを彼女が聞いてたなんて

相手を傷付けたくなくて言ったのに、もっと大事な人を傷付けてしまった






俺はバカだ…







1番大切な人を傷付けてしまったなんて、俺は彼氏として…人として最低だ





「…バカぁ…ッ!!」






泣き出してしまった彼女を抱く腕に力を込める





「ごめん、これからはちゃんと言うから」


「約束、だよ…!!」


「あぁ」





もう二度とおまえを傷付けねぇから






"愛してる"

そう耳元で囁けば、彼女は顔を真っ赤にして微笑んだ

きっと俺の顔も彼女に負けないくらい真っ赤になってるだろう











これからは

ちゃんと正直に言うから












なんかごめんなさい…

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