短編
□僕はそのままの君が1番好きだよ
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や、確かに自分は女らしくはないと自覚はしていた(というか男っぽい?)でもこんな自分にも彼氏というものはいるしそんな男みたいに馬鹿みたいにいやらしい話をするわけでもないしちゃんと女子トイレにも行くし着替える時はちゃんと女子更衣室に入る。女友達だってたくさんいる(まぁ同じくらい男友達いるけど)
なにより学校では制服(スカート)
なのにまさか女の子に真面目に告白されようとは(我ながら泣けてくる)
「あ、の!!わわ私、先輩のことが好きなんです!!」
後輩と思われるかわいらしい小さな少女は肩を震わせながら思いを告げてきた(顔真っ赤だよ)(かーわいー)
「ありがとう、君の気持ちすごく嬉しいよ。けどごめんね?私はさ、女なんだ。君と付き合うことは出来ないんだよ」
「それでも!!私は、貴女のことが好きなんです…!!」
なおも顔を真っ赤にしながら思いを伝える彼女に私はどうすることも出来なかった
何か傷付けない断り方はないかと思案していたら
「わりーな、こいつ俺のなんだわ」
「…準太」
彼氏様のご登場だ
「こいつ、俺のだからさ、諦めてくんね?」
「、……は、い…先輩を幸せにしてくださいね……」
さすがに彼氏の登場は効いたのか、名前も知らない彼女は去って行った(良心が痛む)
「なんで準太がここに?」
「いや、おまえを探しててさ。しっかし…プッ…おまえ女子の癖に…ククッ…女に告られる、なんて、ッよっぽどだな!!ハハッ!!」
「うっせ笑うな」
必死に笑いを堪える準太を横目に溜め息をつく
男っぽい私は嫌か?そう聞きたいけど聞けない。これじゃまるで私が不安になっているみたいじゃんか(実際そうだけどよ)
はぁ…柄じゃないけどもっと素直になれたらな
「だいじょぶ、俺はそのままのおまえが好きだから」
「!!な、んで…」
「おまえの考えてることなんてお見通しだよ」
何たって彼氏なんだからな!!
そう言って笑う彼をひどく愛しいと思った
僕はそのままの君が1番好きだよ
(でもたまには素直になれよ)(もちろん俺の前限定な)