中
□ぼくのすきなひと
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かたい、さくらのつぼみがみまもるなか
ぼくらはであった。
なんだかんだでいっしょのじかんがふえるたび、
「きらい」の気持ちが
「きらいじゃない」へ、
そしてさらに
「すき」になった。
ゆっくりゆっくりさくらがつぼみをひらくように。
あいつはなきながらぼくがそのことをつたえると、
いつもみたいなむひょうじょうでみじかく言った。
おれはずっと
すきだった。
って。
びっくりしたよ。
だってぼくもあいつも
おとこのこ。
くにではみとめてくれないこいごころ。
そうおもってたのに。
だから、ぼくはもっとなきながら
ありがとう
っていっぱい言った。
そしたらあいつはぼくのことぎゅってしてくれた。
たったそれだけで、またなけた。
ありがとう
ありがとう。
ぼくのだいすきなひと。