中
□理(ことわり)
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全てのことには
必ず原因ってものがある。
そして、全てのことには
意味がある。
だって、必然だから。
じゃあ、おれ達が出会ってこんな風になったのも、
必然の内なのでしょうか。
それともおれが願ったからなのでしょうか。
だったらおれは誰に、
どんな対価を払ったのでしょうか。
貴方を愛する他の人へ、
おれは一体何を対価としたのでしょう。
家族との時間？
普通の体？
普通の目？
それとも、おれの存在価値だろうか。
いや、貴方本人の
これからそのものか。
貴方のこれからを
おれの勝手すぎる願いで
汚してしまった。
こんな願いも、
やはり必然の内なのだろうか。
ならば世界は
間違っているのかもしれない。
もしも世界の理が、
この願いを必然とするなら
世界は貴方の不幸を
望んでいる。
貴方の不幸に
意味を持たせようとする。
これもやはり、
おれがいけないのでしょうか。
だったら、
おれは、
きっと貴方のために
この世界を
壊してしまわなくては。
貴方の不幸を願う
この理そのものを
おれが、
消さなくては。
そう思って、
自分の罪を
軽くしようと思っているのか。
なんにせよ、
もう遅い。
だって世界は
もう、壊れてしまったから