□優しさはこわい
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気がついたら


おれのなかにある時計は
動くのをやめていた。







両親がいなくなった。



あに瞬間のまま、
進むのを拒んでいた。



でも、そろそろ

動いても大丈夫かな。




あのとき、一人になった
そのままだったけど、

今は、ちがう。



もう一人じゃない。



あなたがいる。




わかりあえるか、どうか

なんて。



そんな答え、きっと何処にもない。




だからおれたちは

体を寄せて確かめる。












優しいものが、おれは
とてもこわいから。


きっと泣いてしまう。



あなたは優しいから。





傷がつかないようにと
いつも守ってくれる。

守る価値もないおれを。




そんな優しさ、永遠に続くことはないって、知ってる。




だから、失ったときが

こわくて、こわくて。








死んでしまいそう。








あなたのなかで、



終わることができたなら



どんなに


幸せなのだろう。







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