ゆめ

□ずっとなんて言わないから
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ざあざあと降る雨は尖っていて、すごく痛い。
頑張って踏張っていた足元のたんぽぽも少しだけ疲れてしまったらしい。

「お互い大変だねぇ」

顔中が雨で濡れていて重い。空なんか見られるわけがなかった。

榛名は私の隣から離れて、遠くに行ってしまった。まるで心臓がなくなってしまったみたいに私の全部が止まってしまった。
仕方がないと思っても、奥の方で私が小さい子みたいにだだをこねている。

「…なにしてんだ、お前…」
ひどく驚いた声がして、つられるように上を向いた。なんの少女漫画だろう、これでこいつがお前が好きだなんて言ったとしたら私はもう笑ってしまうと思う。

「榛名…」
「風邪引くぞ」
「知ってるよ」
「…なあ、ほんとお前どうしたんだよ」
「なんでもないよ」

こんな深刻そうな顔をしている榛名なんて正直見たことがなかった。

「…ありがとう」

「私、榛名のそういうとこ好きだなあ」
「!…」
「なんてねー」
「なんだ、元気じゃねーかよ」

どれだけ幸せなんだろう、榛名は。
私も、それと同じくらい幸せなんだと思う。好きな榛名が笑うのを見て、少しだけ雨が柔らかくなった気がするから。

まだ榛名が好きなままなんて情けないにも程がある。時間を逆行してるみたいに大きくなっていた何かが嫌だった。

榛名のためならと思って選んだ選択が、自分の首を締めるものだったのは分かっていたし、私のエゴだとも分かっていた。

多分榛名は私が無理をしているのを知っている。
それでも榛名は下手くそな笑顔をして私の頭を撫でてくれた。
下を向いた私の目にさっきのたんぽぽがまだ上に花を向けているのを見た。
じわりじわり、と体から汚いものが出てくるみたいにたんぽぽが歪んだり二重になったりしていく。

「また泣いてんのかよ」
「泣いてないよ」
「無理すんなよ、」

榛名は優しすぎる。私にはそれが強烈すぎた。辛かった。

「…榛名、ごめん…まだ好きなんて…ごめん…」
「…俺もさ、まだお前のこと好きだし。またやり直せばいいだろ?」

榛名はそう言ってにかっと笑った。



ずっとなんて言わないから、
(好きでいさせてください)




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ほら吹き少年さまへ!

ほんと…何が書きたかったんだか…
とにかく榛名が偽物な上に気持ち悪くてすみません…こんなの榛名じゃない…!

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