短編1
□ヒトリヨガリ、
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別に妖怪が好きなわけじゃない。
好きになった人が妖怪だっただけ。
自分で言うのもなんだけど、私は怖いものが嫌いだ。
幽助が魔族に覚醒した時も怖くて、(というか放心してて)
幽助だって分かってるのに見てられなかった。
…でも飛影の邪眼を見ても、黒龍波を見ても、怖くなくて。
むしろ愛しささえ感じた。
私は飛影がすきなんだなあって、ぼんやり思った。
じつは初恋なんだけどね。
私の初恋の相手は妖怪です、あは。
ってそんなことは問題じゃなくて!!
好きだって分かったのはいいけどさ、、
伝えるってなかなか…
まして初恋だし、ねぇ…
お先真っ暗?――あ、やべ自分で言ってて悲しくなった!
本当、どうしたらいいのーーっ!?
飛影いいっI LOVE YOU!!!
飛影!愛してるよおおおお!
飛影ーっ嫁にもらってくれええええ!!
飛影、私のために毎日味噌汁を作ってくれないかっっ!?!?
あっ間違えた!!!!
はあ、…
告白ってなんだっけ。。
「おい」
「あ飛影・・・・・
ってええ゛っ!?
なんでいんの!?」
「いたら悪いのか」
「あ、いや別にそんなことは…
ってか邪眼でにらまないでぇ……」
「フン。まだ怖がりは直っていないようだな」
「お陰様で!」
「(…。)ところで」
「ん?」
「俺は味噌汁など作れん。」
「ッッ!!///えっ、それはもしかして、あの、
私、―声に出てました?^^…」
「あぁ、バッチリな。」
はっ、はずかしぃぃいいいいいいいい/////
「ひ、飛影くん、どうかこれで聞かなかったことに・・・」
「菓子折りを差しだすな。馬鹿か貴様は」
「うぅ……」
顔から火が出るなんてありえないと思ってたけど、
あながち嘘じゃないと実感したわ。うん。
「まぁ」
「嫁になら貰ってやらんこともない。
じゃあな」
「へ・・・・・」
別に妖怪が好きなわけじゃない。
ただ、好きになった人が妖怪だっただけ。
ただ、好きになった人が
強くて、寡黙で、
―実は自分が言ったことが恥ずかしくて窓から逃げちゃうような―
飛影だっただけ。
でも、こんなにも私の心は恋してる。
種族が違うからって悩むことはない、初恋だって実るの。
きっと、素直が一番なんだ。
そんな私の――…
つかの間のヒトリヨガリ。
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