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□昼下がりの午後
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とある日、とある教室の、とあるクラスで。

「どうしてくれるの」
「こっちだって」

お互いの頬をみつめながら、あきれることしかできない。

そんな昼下がりの午後。


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Nonchalance T
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「見事に、真っ黒だね」

わたしの頬を見て苦々しくわらう栞に、
わたしもまた苦々しく「そう……」と返すことしかできなかった。


高校二年生の春。

あまり始業式というものを好かないわたしたちは、
それを手っ取り早く終わらせるために、まだ少しひんやりする体育館で一斉に無口になり、
ながいながいお話うんぬんを耳に入れては消し、ちいさなあくびをいくつか作った。

一斉に無口になる。
しんと静まりかえる体育館。

こんなことができるのも、
全校生徒約120名の学校だからこそだろう。
 

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