荊姫*冬眠中
□荊姫1
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果たして自分と血が繋がっているのか、
数多いる兄弟姉妹
端から見れば異様な家族構成
昔から血族婚が多いブリタニア皇室
分かっているつもりだった。
世間では認められてはいないが、皇族間では赦されていること。
より強い者が生き残るため、
ブリタニアの一層の発展のため、
でもまさか自分が。
「お兄さま」
蜂蜜色の髪が見える。
澄み渡った空に馨しい薔薇が咲き誇る
今が1年で最も美しいこのルルーシュの為の「秘密の庭」にお招きしたのは
「やあ、ルルーシュ」
敬愛する兄、シュナイゼルだった。
この日のために、いやらしくない程度におしゃれをした。
いつもストレートで、リボンを付けるだけの髪も結っていたし、ドレスだって美しい青色のシルクに、何段もレースを重ねた。
「今日はいつもより一層美しいね」
形式的に挨拶のキスをして、
にっこりと微笑み言ってくれたこの言葉。
「ありがとうございます」
誰だってときめくんじゃないかしら、
「今日は私もルルーシュに言いたいことがあってね」
「はい」
改めて背筋を伸ばす。
「ルルーシュは早くから学位も取っているし、今後について考えていることがあるんだよ」
今後?
…公務のことかしら
「それなら私からもお兄さまに」
「?言ってごらん」
「お恥ずかしながら私、コーネリアお姉さまのように軍務は務まらないと思っています…ですから、文「何を言っているんだい?」」
一瞬世界が止まった。
兄は私に軍務をさせるつもり?
「ですから、それでは兵が「そんなことじゃない」」
…怒らせた
「申し訳ありません…っ」
頭を下げる私の近くで、密やかなため息が聞こえる。
「違う、違うんだルルーシュ。君に公務をしてもらうつもりはない」
サッと体温が下がる。
能力が足りないのだろうか…
「悪い意味じゃない。その…君には私の隣にいて貰いたいんだ」