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□赤司君とトリップお姉ちゃん
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♪弟のターン♪
僕の姉さんはカリスマモデルだ。最近はモデル業以外にも
歌や女優と忙しい。冬休みせっかく僕が泊まってあげているというのに
仕事ばかりで家に帰ってくるのは遅いし、朝も早く出ていくからつまらない。
だから姉さんのCDを聞いていたり、姉さんが出演している
ドラマを見て寂しく過ごしているわけだ。
「…相手の人殺したい…」
ドラマの中で姉さんにキスしてる俳優殺してやりたい。
姉さんの唇は僕のモノなのに…声も瞳も身体も全部僕のモノ。
誰にもあげない。
「あんなにベタベタ触ってどうやって殺してやろうかな」
クッションを抱きしめながらソファーで座って見ていると頭を叩かれた。
「いた…」
『殺さないの』
「だって姉さんは僕のなのに」
『ドラマの中では征十郎のお姉ちゃんじゃないの』
「じゃあ姉さんが出なければいい」
『何で仕事断らなきゃいけないのよ。せーちゃんの言いなりにはならないからね』
「僕に逆らうのは…」
『親でも殺すんでしょ。じゃあ私も殺すんだ』
姉さんがにやりと笑って『殺せば?』なんて言うから『殺すわけないし』と
テレビに顔を戻せばぐしゃぐしゃと頭を撫でて隣に座った。
姉さんは僕のことが嫌いだと言って避けたりするけどやはり
姉さんはどこまでも優しくてこうやって長期休暇は家に泊めてくれるし
スキンシップはしてくれるし、話だってしてくれる。
「ねえ姉さん、好きだよ」
『私は嫌い』
「弟思いな姉さん。僕の自慢のお姉ちゃん。いいかげん僕のモノになってよ」
『死んでも嫌だね』