彼女の言うことには

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今日は高校生になった真白木さんの一日を紹介したいと思います。


基本は誰とも話しません。
授業中は聞いているのか聞いていないのか自分の席でじっとしています。
もちろん教科書など一切持ってきていません、それでも
正解率は100%朗読も完璧です。

昼休みは屋上で僕たちと過ごしてたまに僕に凭れて
昼食も食べず寝ています。
そんな彼女に火神君がふざけてフードを脱がそうとしたので殴っておいた。
寝込みを襲うのは褒められません。
火神君に色々文句を言われましたが僕は君を助けたので
感謝してほしいものです。

そして午後の授業も動かず聞いてます。時々死んで
るんじゃないかと心配になります。
放課後、よく黄瀬君が遊びに来て真白木さんを攫っていきます。


「あ…これは真白木さんのローブ…」


昼食を食べ終え屋上を出ると彼女がいつも着ている
黒のローブが階段に脱ぎ捨てられていた。


「黒子、急に止まんな」


「それ真白木さんのじゃねぇ?」


「自分から脱いだの?」


「まさかそれはありえねーだろ」


「脱皮…?」


「火神…いーか人間は脱皮はしねーんだ」


「わかってるスよ!ただ真白木なら脱皮とかありそうだと思ったんだ…ですよ」


なるほど本当に脱皮してないにしろ真白木さんなら言いそうですね。


「あ〜見ちゃいましたね〜」


「っ真白木」


階下の踊り場にはローブ姿の真白木さん。
火神君はちょっと彼女に苦手意識があるようです。何をされたんでしょうか?


「私の大事な抜け殻、誰かに見られるなんて人生最大の失態です」


「そんなに大事なの!?」


「やっぱり脱皮だったのか」


「でも脱皮して成長した姿も同じって…」


「いや、古い殻を捨てたんだろ」


「はっ殻がカラカラ」


「黙れ伊月」


「今日は先輩達も勢揃いなんですね〜よかったいっぺんに消せますね」


「「「消す!?」」」


「な、何を?」


「それ聞いちゃうんですか〜」


その場にいた全員の蒼白した顔を見て真白木さんは
『フフフ』と怪しく笑って階段を上ってくる。


「待て、待ってくれ!」

「こっち来んなァ!!」


「皆さんさようなら〜」


「「「うわぁぁぁあ!!!」」」


その日の昼休み学校中にバスケ部員の悲鳴が響いた。
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