彼女の言うことには

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2泊3日の沖縄旅行。1日目を終え2日目の午後からの
自由行動時間は一人で行動しようと思ったが何かあったら困るし
誰か用心棒くらいつけた方がいいかもなぁ。
…そうなると誰がいいかな…


「お〜火神君だ」


彼なら快く引き受けてくれるだろう。


「何が火神なのー?」


頭が重くなり『重い〜』とぺちぺちと頭にのかった腕を叩く。


「ねえ雪ちん、何が火神なのー?」


「火神君と一緒に行動しようかな〜と思ったんです〜」


「ふーん…じゃあ俺も行くー」


「『じゃあ』の意味がわかりません。敦君は赤司君達と一緒に行動してください」


「赤ちんたちと行動すればいいの〜?なら赤ちんたち呼べば一緒に行動出来るよー」


えーどうしてそこまでして私と行動するのさ。敦君がよくわかりません。


「敦、遅い」


「赤ちん、雪ちんが一緒に行きたいってー」


「言ってません。敦君、嘘はよくないです私、嘘付く人は嫌いです」


「…もう付かない」


…まあいいかこの二人でも。男には変わりないんだし、力はあるし。


「赤司君、一緒に行動しましょう」


「構わないが僕の邪魔をしないでくれよ」


「やっぱり一緒に行くの止めます。敦君、バイバイです、放してください」


「えーやだやだ…赤ちんのバカー」


敦君の力が緩んだ隙に抜け出し歩き始めると『待て』と
赤司君の声が聞こえたが無視して歩き続ければ『待てと言っているだろう!』と肩を掴まれる。


「必死ですね『ついて来い』と言うなら聞きませんよ」


「っ…一緒に来て…ください」


小さな声でそういった赤司君に笑って『よく言えました征ちゃん』
と言うと赤司君は目を輝かせていた。
しかしまあ、征ちゃんの上からの物言いが嫌だったから
普通に『一緒に行こう』って言ってくれればよかったのに
『来てください』とか何でそこまで行ってしまうのか?
征ちゃんは100か0かしか選択肢がないのだろうか。


「赤司君、何やってるんですか紫原君を連れて早く戻って…真白木さん?」


「やっぱ雪っちがいたっス!」


「何でもいいから早く行こうぜ」


「雪ちん、火神いるよー」


「聞いてくれテツヤ!」


目の前で展開するやり取りに笑いが漏れる。
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