彼女の言うことには

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「はあ〜つまりませんね〜」


2時限目の体育でバドミントンをバド部の人をコピーして
試合をしていたら相手の生徒が弱過ぎて話にならない。


「せんせぇ〜真白木さん強すぎだよぉ」


「そうだなぁ…真白木少しは手加減する気はないのか」


「ありません」


そんなめんどくさいことしたくないし、やっぱり勝負となれば
勝ちたいと思うのが当たり前だと思う。


「仕方ないな」


体育の先生は真ん中で区切っている防球ネットを潜り抜け
男子のコートの試合を止め何か話し『おーい真白木、こっちこい』
と呼ばれ歩いていく。


「来ましたけど〜」


「お前は授業が終わるまで男子とやっていろ」


「いいですけど〜私いじめられちゃいますよぉ、身長差
どんだけあると思ってんですか〜くたばれよーマッチョ先生」


「こてんぱんにされてしまえ糞ガキ」


先生はそう言って女子の方へ戻って行った。


「そういうことらしいのでよろしくお願いします〜」


「じゃあまずは端のコートの奴らと試合してこれるか?」


「げ〜敦君いるし〜」


敦君が嫌いなわけではないが身長が反則すぎるんだよなぁ、正面にいると壁だもん。

端のコートに移動すると床に座り込んでいた敦君が
のっそりと立ち上がり私の方へ歩いて来た。


「雪ちんどうしたのー?」


「ここで試合しろと言われたんです」


「おいおい女子が男子に勝てるわけねーじゃん!」


ゲラゲラ笑う男子達を見て私は『やってみないとわかりませんよ』と
言えば試合が始まる。


「…」


「…な、何だよあいつ」


「雪乃ってバド部だっけ!?」


「帰宅部だろ…おい紫原次お前の番だぞ」


「んーめんどいなぁ。俺、雪ちんと戦う気ねーし」


「いいから!さすがにお前が相手なら真白木も手も足も出ねーって」


私に負かされた男子達が敦君をコートに入れようと
背を押すが動こうとしない。最終手段とお菓子で釣る始末。


「敦君」


名前を呼べば彼はのそのそとこちらにやってきて
『雪ちんお腹空いた』と私を見下ろしていた。


「頭が高いぞ敦」


「あー赤ちんのマネだ〜」


「この飴が欲しいなら床に頭を付けお願いしてみろ
『雪乃様どうか愚かな私にお恵みください』と言えばあげなくもない」


「赤司の言いそうなことだけども!紫原だって馬鹿じゃないんだから言うワケないって」
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