副管理人・REBORN

□10年間の不満を
5ページ/7ページ

Side綱吉

ノートの角は効いた。
かなり痛かった。

でも、それ以上に彼女の言葉が痛かった。

「起きたの?ツッくん。」

頭を撫でながら上半身を起こす。

心配そうにこちらを見る京子ちゃん。

「さっきの…、聞いた。」

あ、と一瞬表情を揺らがせる。

でも、すぐに顔を引き締めてオレに言う。

「どうしてあんな事言ったの?」

正直、未来のオレの事なんだからわからない。

けど、オレの言葉で伝えることは出来る。

「好きだから。」

「好きだから…?」

オレが伝えたかったのはきっと…。

「オレはダメツナで、君とは釣り合わなくて、他に格好いい人は世の中に五万といる。」

そんな事は無いと首を振る彼女。
オレは話を続ける。

「オレは昔から君に片想いしてた。だから、君がオレと付き合ってくれるって言ってくれたら、凄く嬉しいと思う。」

「だったら。」

「だから!…こんなオレに付き合ってくれるのが申し訳なくて、でも君を手放したくなくて、ずっとを求めてしまうんだと思う。」

「そしたら、ヤキモチくらい妬いてよ。我が儘言ったら、怒って、アナタの気持ちをもっと私にぶつけてよ。」

一つ深呼吸した。
こんな事言ったら嫌われてしまうかもしれない。

それでも…。

「怖いから。」

「…怖い?」

何が?と呟く彼女

「君に嫌われるのが、酷く怖いから。君に逆らえなくて、君に呆れられたくなくて。」

そんな…。

と、顔を青くする彼女。

目にいっぱいの涙を溜めて、オレの頬を撫でる。

「じゃあ、今までアナタは気を遣っていたの?本心で私に接してなかったの?」

違うよって首を振る。

「オレは幸せだったよ。それで、覚悟を決めたんだ。」



ボフン!
次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ