副管理人・REBORN
□10年間の不満を
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未来ボンゴレアジト
ボフン!
視界を遮る煙の先には、覚悟を決めたかのような彼。
何でだろう。凄く。
怖い、恐い、コワい。
何が?
カレニステラレルノガ
本心で接してなかったのは、
………ワタシ?
「京子、オレはもう逃げないよ。」
いや、嫌、イヤ
「やだ。聞きたくない。やだよ。今度から我が儘も言わない。ヤキモチ妬いてなんて言わないから。」
すると、ツッくんは私を抱きしめた。
ああ、彼の匂い。
これで最後…なの?
「お願い。ヤダよ。ツッくん。捨てないで、今のままでいいから。」
ツッくんの背中に腕を回して握りしめる。放さない。離さない。
でも、彼は首を縦には振らない。
このままじゃ駄目だって、前に進まないと、って。
…ドクン
「10年前の京子にも言われた。君の気持ち。それでわかったんだ。君とオレが釣り合ってないのは容姿や才能なんかじゃない。」
…ドクン
「本当に釣り合って無かったのは…
気持ちだったんだ。」
「気持ち…?」
…あ!
ツッくんが何を言いたいのか、わかった気がする。
どうしよ。涙が止まらない。
「だからね、京子。」
ビクビクするのは今日でお終い。ヤキモチ妬いても良いって君が言ったから…。
「ビビりなオレでもヤキモチ妬いていい証。君の一番近くの居場所…」
耳元に届いたのは何より優しい彼の声。
薬指には臆病な彼の精一杯の独占欲を。
ボフン!
「お帰り京子ちゃん。」
「ただいま、ツナくん、花。」
花は全てを察したのか、頑張んなよって、帰って行った。ありがとう、花。
「あのね、ツナくん。私ね、10年後のツナくんに会ったよ。」
うん。って言った彼の目は昔、学校の屋上で見たときの様で、
「いっぱいヤキモチ妬いて、もっと我が儘言って欲しいって、言ったの。」
京子ちゃん。と呼ぶアナタの顔が10年後の彼に重なる。
スッと、私の左頬に彼の暖かい手が触れる。
あのさ、
「オレも、ヤキモチ妬いて良いですか?」
(うん。大歓迎!)
(じゃあ、京子ちゃんにあんなノート書かれないようにしなきゃ。)
(いっぱいヤキモチ妬いてね。)
(…その前に男の子に近づかないで。)