02/10の日記

22:32
『神様help!』84
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※日番谷視点





「でも、嬉しかった。冬獅郎がオレと同じようにオレのこと、好きだって、知って」


黒崎が俺の瞳を視て、それから笑顔を俺に向ける。


「オレ、やっぱり冬獅郎が好きだ」


俺に向かって、確乎と黒崎は告げた。
黒崎の言葉に、俺の心臓が強く速く脈を打つ。
顔の熱が更に高まった。
黒崎の顔も先程よりも紅い。


「冬獅郎に酷いこと言っちまったし、もう冬獅郎はオレのこと好きじゃ無ぇかも、しれねぇー、けど……」


語気は段々弱まって、終いの方は聞き取り難かったが、何とか黒崎の言葉は俺の耳に届いた。
黒崎は一旦、視線を床に落としてから、もう一度俺を視る。


「冬獅郎のこと、簡単に諦めたくねー、んだよ」

「くろさ、「だから!」


堪らなくなって、口を出すなと言われたにも関わらず、俺は黒崎を呼ぼうとした。
先程から紡がれる黒崎の一言一言が俺の、心の真ん中を貫いて。
苦しかった。
嬉しかった。
好き、だと思った。
この、黒崎一護という男のことが。
疑われたとかそんなの、もう、如何でも良かった。

だが、そう黒崎に伝えようとした俺の言葉は、黒崎によって遮られてしまった。


「だから……もし、冬獅郎がオレのこと許してくれて、冬獅郎がオレと付き合ってくれるなら……」

「ど、うすれば良いんだ?」


訊き返す俺の声は掠れていて、我ながら情けない。
これでも何百という死神達を束ねているというのに。
緊張している。
この俺が。
黒崎一人を前にしただけで、この様とは。


「明後日、二十四日、オレとデート、して欲しい」

「……………」

「さっき、食べたクレープ屋の前でオレ、待ってるから」

「黒崎……」

「話はそれだけ!じゃ、オレ帰るな」

「あ」


咄嗟に呼び止めようとしたが、もう黒崎の姿は消えていて、俺一人、執務室に取り残された。





続く

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