04/10の日記
21:56
『DAYBREAK'S BELL』3
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「先ず。十二番隊より報告を」
山本の声に十二番隊隊長である涅マユリが一歩前に出る。
「本日未明。技術開発局のレーダーに未確認の霊圧を二体、捕捉」
涅の報告にどよめきが沸いた。
「如何いう事だ?涅隊長」
そう涅に向かって尋ねたのは、十三番隊隊長を務める浮竹十四郎。
涅は浮竹を振り返り、首を捻った。
「如何いう事、何だネ?」
「そのままの意味だ。未確認というの如何いう意味だと訊いている」
「言葉通りの意味だヨ、浮竹隊長」
馬鹿か、とでも言いた気に瞳孔をくるくると回転させながら答えた涅に、浮竹は僅かに眉を寄せた。
「もう少し具体的な説明をお願い出来るかねぇ〜〜」
二人の遣り取りに八番隊隊長の京楽がのんびりとした口調で割って入る。
「ふム。ソレならソウと最初から言えば好いんだヨ」
涅の言葉に浮竹が何かを言い掛けようとしたが「まあまあ」と京楽に窘められ、浮竹は踏み止まった。
「好いかネ?続けてモ」
「ああ、お願いするよ」
京楽が頷く。
「二体の霊圧を解析しタ結果、二体は我々死神とそして虚、両方の霊圧パターンを有していルものと判ったヨ。つまり――」
「先日、空座町に現れたのと同じ奴か?」
日番谷が言うと、涅は大きく頷いた。
先日の隊首会の際に報告があったのだ。
謎の霊圧が空座町に出没し、そして消失した。
記録に無い死神の霊圧と共に。
「ご名答。但――先日のよりモ霊圧の大きさは遥かに上だったがネ」
再び、どよめきが起こった。
――カン
山本が杖を突いた。
場に静けさが戻ったところで、山本が口を開く。
「涅隊長、続けて報告を」
「出現場所は先日ト同じ空座町ダヨ。そして出現地点ヨリ周囲数キロメートルの魂魄が消滅。マア…其奴等ニ喰われタんだろうネ」
涅は事も無げに淡々と報告していくが、報告内容は決して小さくはない被害だった。
皆、ごくりと唾を呑み込む。
「ボクの方からは以上ダヨ」
「うむ。ご苦労であった」
山本が涅に労いの言葉を掛ける。
が、涅は特に感銘を受けた様子も無く、肩を僅かに竦ませて元の位置に戻った。
続く
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