04/11の日記

21:40
『DAYBREAK'S BELL』4
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「さて、次にぢゃが。先程、元十二番隊隊長の浦原喜助から四楓院夜一を通じて、此の件についての報告があった」


『浦原喜助』という単語に、涅がぴくり、と身動いだが、誰もその事を意に介さなかった。
本人もまた特に何も言わず、場を見守る。


「何、と?」


そして問うたのは、二番隊隊長の砕蜂。
彼女は現在でも嘗ての主、四楓院を慕っている。
故に、山本の報告に誰よりも――涅よりも、関心を示したのだ。


「うむ。涅隊長の言うところの未確認のニ体の内の一体と交戦したそうぢゃ」


三度。
どよめきが沸いた。
そして三度、山本が杖を突く。


――カン


「――で、結果は?」


浮竹が先を促す。


「結果、判明した事は、彼奴等は死神と同等の能力を持った虚であるという事。奴等は自身を『破面』と名乗ったそうぢゃ。それから奴等は叛逆者、藍染惣右介の配下の者であるという事。更に奴等一体一体の戦闘能力は、隊長格と同等、或いは其れ以上という事。以上ぢゃ」


隊長格と同等、という山本の衝撃的とも言える報告に皆、息を呑む。
静寂が彼等を覆った。


「それは確かなのかい?」


爺さん、と京楽が一見呑気にも聴こえる声がそれを破る。


「む。現に其の一体と黒崎一護、茶渡泰虎そして四楓院夜一とが剣を交え、黒崎一護と茶渡泰虎は全く歯が立たず、四楓院夜一も怪我を負った――そうぢゃ」

「夜一様は?!夜一様は大丈夫なのですか?!」

「取り乱すな!砕蜂隊長!!」


声を荒げて迫る砕蜂を山本が一喝する。
同時に杖を床に突き鳴らした。


――カン


その音によって、砕蜂は目を覚ましたように瞬きを繰り返した後、山本を仰ぎ見る。


「最初に申した筈ぢゃ。この報告はその四楓院によって行われたもの、ぢゃと」


「で、は…?」

「うむ。万全とは言えぬそうぢゃが、無事ぢゃ」


山本がそう告げると、砕蜂はほぅ、と安堵の息を洩らした。
それから姿勢を正し、一礼する。


「申し訳ありませんでした」

「心を動かす事は、其れだけ敵に付け入られる隙を与えてしまう事に繋がる。殊に戦闘に於いては其れが自身のみならず、仲間の命取りになるやもしれぬ。況してぢゃ。今度の敵、藍染惣右介は此方の動揺を誘う手段に長けておる。気を抜けば――負ける。肝に銘じよ」

「御意」



もう一度、砕蜂は頭を下げた。





続く

確か、原作では皆さん破面を知っていたと思われますが、ここでは破面は初めて知った、という設定で話をしています。

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