04/12の日記
22:14
『DAYBREAK'S BELL』5
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(敵……)
山本の言葉を聴いていた日番谷は、密かに胸を突かれていた。
彼は瞭然と告げたのだ。
――藍染惣右介は『敵』であると。
藍染も市丸も東仙も。
そして。
(彼奴、も)
人知れず、奥歯を噛み締める。
解っている。
解っている筈だ。
自分が奴を殺す――
そう、決めた筈なのに。
改めて言われて戸惑ってしまった。
半ば、無意識に日番谷は帯に留めている根付を握り締める。
ちり、と掌の中で鈴がくぐもった音を立てた。
(此れでは向こうの思う壺だ……)
日番谷は頭を一つ振った。
山本が今、言っていたではないか――藍染の常套手段なのだ。
惑わされてはいけない。
(大丈夫だ。俺は――殺れる)
藍染を
そして、黒崎を
(俺が、殺す……)
産まれ掛けた躊躇を、新たに決意し直す事によって打ち消す。
そして、日番谷は宙空を睨んだ。
(大丈夫、だ……)
続く
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