04/29の日記
14:06
『DAYBREAK'S BELL』471
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「な、何で……?」
其れは、間違いなく嘗て黒崎自身が毀した筈のもの。
其れを何故、綺麗なままの姿で、しかも黒崎が持っているのか。
疑問が多過ぎて日番谷の頭が整理し切れないでいると、日番谷の疑問を感じ取ったのか黒崎が困ったように眉尻を下げ笑った。
「ごめん、実はオレにもよく分かんねぇ」
黒崎が識っているのは、この根付を何故か井上織姫が持っていて、そして其れをあの虚圏から空座町へ向かう直前、ウルキオラから渡されたという事だけ。
この根付が実は様々な人の想いによって、偶然に或いは必然に、黒崎の手に戻って来たのだという事実は、誰にも、彼自身すらも識らない事であった。
そして現在、其の根付が更に黒崎から日番谷へと渡される。
「誕生日プレゼント。何時か絶対に冬獅郎のところまで貰いに行く。だからその時まで冬獅郎が預かっておいてくれないか?」
「……………解った」
ちりん。
掌に落とされた根付を日番谷は大切に握り込んで頷いた。
続く
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