05/01の日記
22:23
『DAYBREAK'S BELL』473
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「……………馬鹿が」
黒崎が消えた後で、日番谷は誰に言うでもなく呟いた。
「日番谷君………」
隣に居る浮竹が心配そうに彼を見遣る。
が、現在の日番谷には浮竹の視線も声も届いていない。
黒崎が最期に口だけを動かして告げた言の葉。
恐らくは、否、きっと彼にだけ伝えた黒崎の想いを、浮竹もまた読み取っていた。
『あ・い・し・て・る』
彼はそう告げて消えたのだ。
「……大丈夫かい?」
「ああ」
浮竹の問いに日番谷が頷く。
今度も聴こえてはいないかと半ば諦めつつも尋ねた言葉に、小さくではあったが反応が返って来たことに浮竹はほっと安堵の息を洩らした。
(全然大丈夫そうには見えないけれど……)
とは言え、日番谷の性格を考えれば、人前で泣き喚くなどという芸当が出来る筈もなく。
浮竹は日番谷に気付かれぬよう足音を忍ばせ静かに彼の許を離れた。
「溟隊長――」
既に他の隊長等は部屋を退出しており、開発局の中は疎らになっている。
その残る数人の中の一人に浮竹は声を掛けたのであった。
続く
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