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□続・新婚生活のススメ?!
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1.乱菊の陰謀
「お帰りなさい」
「……………」
ある日、一護が学校から家に(勿論真っ直ぐに)戻ると、愛しい愛しい彼のお嫁さんが玄関まで出迎えてくれた――三つ指をついて。
「お帰りなさい、あ、あなた。ご飯になさいますか?お風呂になさいますか?」
「…………………えーと。乱菊さんかな?」
「よくわかったな。何でも松本が言うにはな、新婚というのはこうやって出迎えるんだそうだ。しかもコレをやらなかった夫婦は必ず別れるんだってな」
だから、恥ずかしいけど出迎えてやったぞ、と彼の妻(旦那?)――冬獅郎は真剣だった。
「………そうだな」
一護はハハハ…と笑う。
当然一護はそれが乱菊の嘘だと知っているのだが、敢えて指摘しなかった。
何故ならば――
(グッジョブ!乱菊さん)
こんな出迎えが毎日見れるなら、とむしろ内心親指立ててガッツポーズしていた。
「で、どっちにするんだ?飯か?風呂か?」
そこで、一護はハタと気付いた。
冬獅郎の言葉には無い、のだ。
あの究極の選択肢が。
嫌な予感がしながらも一護は尋ねた。
「…えーと、乱菊さんに教えてもらったのはそれだけか?」
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