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□少年は、喪う
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日番谷の翡翠の瞳は次第に潤み、涙が流れ出す。
悔やんでも悔やみ切れなかった。
虚退治に出掛ける自分について行きたいと言ったのは黒崎。
しかし、許可したのは日番谷自身だ。
(あの時、無理矢理にでも置いてくれば……)
そして、最大の後悔は――戦闘中誰あろう日番谷が相手の虚に隙を見せてしまったこと。
黒崎は其の隙を突き襲って来た虚から日番谷を庇い虚に斬られたのだった。
(何で…俺、は……)
後悔で、日番谷の小さな身体は押し潰されそうになりながらも、鬼道で黒崎の傷を回復させていく。
「……くろ…さ……き………いち、ご……い…ち……ご……いちごぉー………」
どうしよう、どうしよう
黒崎が……たら……
俺は……俺なんて……
一護を、
『大切な人』を、
護ることが出来ないのなら、
“俺”なんて、
イラナイ――
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