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□少年は、喪う
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「く、黒崎ぃぃーーー!!!!!」
日番谷は咽喉が裂けるかと思う程の大きな声で黒崎の名を叫ぶ。
瞬間、黒崎の身体から血飛沫が上がり、黒崎はその場に倒れた。
日番谷は彼の許へ駆け寄ろうとしたその時、日番谷は行手を阻まれた。
其れは、黒崎を斬った虚――
虚はニタァーと嘲笑うと、
「次ハ、オ前ダヨ」
と日番谷に襲い掛かって来た。
その虚の言葉に日番谷の翡翠の瞳に閃光が走る。
「…黙れ」
――ザシュ
日番谷は瞬きする間もなく斬魄刀を横に薙ぎ払い虚を一閃し倒した。
「っ!黒崎っ!!」
虚が魂葬されるのを確認もせず、そのまま黒崎の許へ駆け寄る。
黒崎は夥しい血を流し、仰向けに倒れた侭、ぴくりとも動かない。
「黒崎、しっかりしろ!!」
自分の死覇装が黒崎の血で汚れることも厭わず、日番谷は彼の身体を抱き起こし、回復系鬼道を始める。
しかし、自分が幾ら隊長と謂えども回復専門の四番隊のようには上手くいく訳もなく、黒崎の身体から血が流れ、其の顔からは生気がどんどん失われていく。
「く…ろ……さ…き………頼む、死ぬ……な……死なない………で……………」
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