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□また来るから
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同時刻、十番隊隊舎
「たいちょー、今日あがった書類でーす」
十番隊副隊長松本乱菊は、あまり上司に対する口調としては思わしくない話し方で、同隊隊長の日番谷冬獅郎にそう声をかけた
「、そこに置いててくれ」
日番谷は口調に対しては気にも止めていない様子でそう応えた
「チェック手伝いましょーか?」
「ん、いい。もうあがっていいぞ」
「はーい‥」
さらさらと
筆が紙の上を滑る音だけが聞こえる
もう外は大分暗い
が、室内に光はなく、部屋はただ夕焼けの紅に染まっていた
「じゃ、あがらせて頂きます。隊長も、あまり無理をしないで下さいね」
にこりと笑って言ったすぐ後には、もう隊主室を飛び出す松本の姿があった
「‥仕事もそんくらい早くやれよ‥」
言って、日番谷は松本をが去った隊主室の扉から視線を書類に戻した
そしてまた室内には筆が滑る音が聞こえてくる
外はまだ紅い
(‥‥‥‥‥‥、眠い な、)
大分暗くなった頃、日番谷は小さく欠伸をした
最近、寝ていない
理由は決まっている
(寝ようとすると、顔が浮かぶんだもんな‥)
顔が浮かんでしまっては、寝れるはずがない
そう心の中で日番谷はひとりごちた
だが、今日は違うようだ
(‥‥‥寝れそう)
そう思いながらまた一つ欠伸をし、頬杖をつき、瞳を閉じた
相変わらず浮かんでくる顔は、こちらを見て笑う
いつもなからそこで目が覚めて眠れなくなってしまったのだが今日はそのまま眠りに落ちた
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