NOVEL1

□肝試し5の令状
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令状5.肝試し上級者は脅かす方に回ってみる事も大切。






ぞくり。
伊佐敷の背中に冷たいモノが走る。思わず立ち止まって後ろを確認してしまった。

彼のTシャツの裾を握ってうつ向き加減で歩いていた栄純も、急に止まった伊佐敷にぶつかってしまう。


んむ、という曇った声が出て広い背中に勢いよく当たった鼻の頭を撫でた。



「な…どうしたんすか?純さん」

「いや…。沢村、今さっき俺の背中に触ったか?」

「…触ってないっす、けど?」



冷や汗が伝う。
もう一度自分達の歩いてきた道を振り返った。当然そこには何もないはずで、でも確かにそこには何かの気配が感じられるような気がした。



「じゅ、純、さん?」

「…………まさかな」


(どうせ俺たちの後にくる御幸と降谷だろ…)





◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「さすが純。野生の勘で振り向いたよ」

「…亮介、笑顔が黒いぞ」

「なんか言った?哲…」

「いや。」



キャプテンである結城をも黙らせるその威圧感。
亮介の周りには楽しんでいるオーラが漂う。

弟の春市もダメだこれは、と肩をすくめ溜め息を吐いた。


「よし。じゃあそろそろ作戦1、行くよ」


その言葉と共に2年コンビの御幸と倉持が立ち上がる。
にやりとほくそ笑むと、互いの手をパチン、と合わせた。

そして2人に気付かれないように全員は歩みを進めた。




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