NOVEL1
□不安定ラブロマンス
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つまりはこういうこと。
御幸と沢村の関係を怪しんだ女共は、それが事実らしいと突き止めた。
御幸くんが男と付き合ってるなんて信じられない!きっと相手が悪いのよ!
と勝手に解釈し、沢村を説得というか沢村から別れることを切り出させよう!と思ったらしい。
すなわち嫌がらせなどをするつもりだったようだ。
でも御幸のことだから、それが決行される前に気付き、わざと女に近づいたり気のあるように見せたりして、ファンに栄純を意識させないようにしていたのだ。
そして、栄純から離れたのもそういう訳があり、御幸の愛故の行動だったのだ。
(そりゃあ好きなヤツのことは守りたいって思うよな)
御幸が倉持にそのことを話していたのは、万が一のため。
もし栄純が限界に近かったら言えと言われていたのだ。
「わかったか?お前は嫌われてなんかねーんだよ。むしろ愛されてる。」
「っっ〜〜〜〜!」
みるみるうちに沢村の顔が赤くなって、その大きな目に潤っていく。
まじで冗談じゃねーよ。
俺はカラーボックスを漁ってパーカーを沢村に投げつけた。
それから再び携帯を取り出し、授業中だと知っていながら通話ボタンを押した。
「…ああ、俺だ。……授業中?…そんなのカンケーねぇだろ?お前の姫君が泣いてんだぜ?…………ハイハイ、早くしろよ〜」
電話口から微かにもれる相手の声。
それに怯えて身を強ばらせた沢村が右手と右足を出してギクシャクとドアに向かって歩きだす。
「まぁ待てよ」
「ぐぇっ!?」
沢村の襟首を掴むと、蛙が潰れたような声(一度も聞いたことはないけれど)を出す。
そしてジタバタと暴れた。
「なんでアイツを呼ぶんだよ!?」
「だってそうもしねぇと、お前、泣き止みそうにねぇし」
「これはっ……!」
なんだよ。
心の汗とでも言いたいのか?
そんなの今どき流行らねぇぜ。
沢村が押し黙っているから、俺も何も話さない。
そうしているうちに、ドアの外から聞こえてきた騒がしい足音(小刻みに聞こえるのだからおそらく走っているんだろう)
「来たようだな。…ったく世話が焼ける奴等だぜ」
「っ、倉持先輩!」
「あーうるせぇ。さっさと仲直りでも何でもしちまえ!」
倉持が予備のワイシャツにネクタイを通す。
今から行けばまぁ保健室に居たとでも言えば、あの初老の先生なら何も言わないだろうと脳の片隅で思いながら、5号室のドアを開けた。
「よー御幸。」
「悪かったな、倉持。」
「まったくだぜ。まじコイツのお守りは二度とごめんだ」
くい、と親指で二段ベッドの下段を差す。
そこには布団の塊もとい倉持の手から逃げた沢村(布団にくるまってるらしい)
「そんじゃ俺は退散いたします」
「ありがとな」
「てめぇが礼を言うとは…明日は槍が降るな」
「はっはっは、マジで感謝してますよ」
「はいはい。ハーゲンのチョコミントな」
ちゃっかり要求してきた倉持は口角をあげ、ドアを閉めた。
とたんに中から壁に穴が開くんじゃってほどの音(おそらく御幸に迫られた沢村が逃げて壁にぶつかったんだろう)がして、一瞬不安になったが。
(何に不安になるんだよ、俺?)
これ以上の詮索はめんどくさいだけ。
そう言い聞かせて、足を校舎の方へ向けた。
(……野球以外はホントに不器用な奴等…)
倉持先輩目線の御沢を書きたかったのに見事玉砕。
かなり中途半端ですが、理由があります。
おまけがありますよ〜
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