NOVEL2
□君の瞳に映る彼に嫉妬
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君の瞳に映る彼に嫉妬
俺は17年間生きてきて、人を真剣に愛したことがない。なんせ昔はレスリング、今は野球と自分のことで精一杯だ。(まぁ愛もなく付き合った女は両手で足りないほど、居るけれど)
しかし。
しかし、だ。何故かこのごろ、同室の後輩が視界に入ってきて。そのうざいことと言ったら。そいつの名を沢村栄純。(一応)一軍のピッチャーで単純でやけに明るくて、オマケ泣き虫だ。そして、我らが扇の要である正捕手・御幸一也のモノ。
俺は今、御幸に嫉妬しているらしい。
らしい、というのは確かな確証がないからだ。何故、俺が御幸のヤローに嫉妬しなきゃならない?意味がわからないだろ。
御幸が沢村を大切に思うのは当たり前。御幸が沢村の隣でメシ食うのも当たり前。
沢村が御幸の前で赤い顔してるのは当たり前。沢村が自然と御幸を追うのも当たり前、のはずなのに。
心の何処かでそれが“気に食わない”俺が居る。
俺じゃ沢村にあんな顔、させてやれねぇ。
俺じゃ沢村を笑顔にできねぇ。
なんでこんなに悔しいんだよ。
沢村の視線の先に、御幸が居るのが許せなくて。沢村の視線の先に、御幸の笑顔があるのが許せなくて。
なんでこんなに。
この感情の名前、は
君の瞳に映る彼に嫉妬
(ちっ、胸糞悪ィから沢村に奢らせよ)
(またきっと)
(泣きそうな顔で)
(御幸の後ろに隠れて)
(それで俺は、いつものように)
倉持さん独自でした。
倉沢も好きですが、御沢←倉も好物です◎切ないもっちせんぱいが大好物です←