NOVEL2

□──おはよ、でも遅刻だよ
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Dolce Love Song!
(甘く柔らかに愛唄!)

───Good moning,My Honey!




「……響、」

「んぁ、……?」


甘ったるい空間。
央人は響の額を隠す前髪を払い、そこに口唇を落とした。
シーツにくるまる響は身を捩らせ、ベッドサイドにあった自身の携帯を取り、待受の現在時刻に今までぼんやりとしていた思考を覚醒させた。


現在時刻は8時30分。
始業時刻は8時45分。



「ちょ、てめ!コラ央人!!この野郎!!」


どう考えてもこの部屋から学校までは20分かかる。

よって完全遅刻。



響は勢いよく飛び起きると、本日意味をなさなかった目覚まし時計を未だベッドに寝転がりニコニコしている(まるで慌てる響を見て、楽しんでいるような)制服姿の央人に思い切り投げつけた。

そして見事に央人の腹部に直撃。

ゴフッと何かが聞こえたような気がしたが、クローゼットから制服を引っ張り出して、髪をなんとかセットしようとして大慌ての響には聞こえてない。



「つーか何で起こしてくれねーんだよ!?ふざけんな!」

「しょうがねーじゃん。響の寝顔、かなり可愛かったんだもん」

「“もん”じゃねー!!身長185センチの立派な男がかわい子ぶってんな!」

「うん。そういうのは響が言ってこそかわいいんだよね〜。でも………」

「なんだよ!?」



ベッドから起き上がってニヤリと笑う央人に、響のネクタイを結ぶ手は思わず止まる。



「昨日は格別にかわいかったよ?」


「な、な、な………………コロス!」






そんな月曜の朝。
ってことで始まります。

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