NOVEL2

□星屑ドリーマー
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御幸一也にとって沢村栄純は特別な存在であった。

自分に球を受けてもらいたいがために東京の青道にわざわざ長野から来た(それに関しては降谷も同じことを言えるのだけれど)し、まだ中学生だった栄純の球を受けたときに、これはと心が疼いたのだから。

捕手にとって色々な種類の球を受けることは他に類を見ないほど、良い経験だ。

沢村栄純の球──ナチュラルなムービングボールは実におもしろかった。
投げている本人さえもどこに行くのかわからないほどの球。

出来たら自分のモノにしたいと思ってしまった。先輩捕手であろうともこの球を捕ることに良い気持ちはしなかった(決して声には出さないけれど)


そして更に御幸の沢村に対する感情は愛情へと変わった。

クリスのために泣く後輩にとても綺麗だと思ってしまった。



今日のこの月夜のように。
好きだと思ってしまったのだ。
太陽の笑顔を持った彼を。






星 屑 ド リ ー マ ー







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