NOVEL2

□──それは、秘密の中の秘密
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Dolce Love Song!
(甘く柔らかに愛唄!)
───Secret and secret.




鸚哥はいつも籠の中にいた。
外の世界を見るのにも、網越しだ。

それでも愛した人が居る。
障害なんて関係なかった。
ただ愛せるだけで────






「央人?」

「……………律、」


央人は自分達の教室から大分離れた空き教室に居た。何をするでもなく、外を眺めていた。それはもう、寂しそうに。




「聞いてきたから答えたぜ?『血濡れの鸚哥』のこと」

「!、そっか……」



誰が、と聞かずとも央人にはわかるようで、少しだけ自嘲するような笑みをした。

落ち着きがなく、ひっきりなしに折り畳みタイプの携帯電話を閉じたり開いたりしている。


「ま、外見的容姿のことは言ってねぇから気付かれないと思うけど、………」


続きを言いかけて、ひゅっと引っ込めた。
それに央人が視線だけで問う。



「なんで黙ってんだよ、響に」

「……………」

「あの先は俺にも言えないの?『血濡れの鸚哥』は金森央人だって、俺に明らかにしたのにか?」

「っっ!?」




央人の目が丸くなる。
これ以上開かないんじゃないかってぐらい大きくなる。







そう。



この金森央人こそが、あの噂の張本人。


────────血濡れの鸚哥。










「確かに響はお前がしてきてるコトっつーものが苦手だ。でも、それ以外に理由があんだろ。───秘密ってのは何時までも隠し通せるモンじゃない。」

「でもきっと俺は響に話せないよ」

「ならどうして!?」



ならどうして喧嘩をする?
名が有名になるようなことをする?
なんで………




「響に言えないようなこと、するんだよ」




聞き取れないほどか細い声だった。
いくらか涙声だった。

ふるふると震える律の拳は今にも央人に飛んでいきそうなほど。

幼なじみを想っての辛さ。
痛くて、痛くてしょうがなかった。




「っ…──見えるぜ…。『血濡れの鸚哥』の背中に乗ってるのはたくさんの念だ。」




寺の息子として持った力。
こんな形で使うなんて、嫌だ。





「除念はしねー」


「…それ相応のことをしてきてる。覚悟は出来てるよ」





なぁ、そんなに寂しく笑うなよ。

お前が悲しかったら響が悲しむんだ。







鳥籠の中の鸚哥は自ら飛び立とうとはしませんでした。

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