NOVEL1

□俺とお前のキャンパスライフ
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待ってよ、



待って………っ!





走っても走っても追い付かない。追い付けない。

あの人たちは、遠い。



遠すぎる。





走っても走っても前に進まない感覚。
あの人たちは立ち止まって俺を待っていてくれているのに俺が遅いから、はぁと見えるようなため息を吐いて行ってしまうんだ。
手を伸ばしても、彼らの何も掴むことができない。そして、泣きながら立ち止まった瞬間、地面が蟻地獄のように砂に変わり、俺は飲み込まれる。



いつもこの夢の終わり方は一緒だ。





そして、誰も居ないのに助けを請う俺の腕が伸びているシーンで静止し、目覚める。


目の前には二段ベッドの上スペースの下部分だ。




きゅと目を瞑ればこめかみを伝う、涙。耳の横を通って枕に染み込む感覚までわかる。




「…うっ……」




寝間着の袖で止めどなく溢れる涙を拭う。



怖かった。





あの人たちは側に居てくれるのに、
あの人たちは笑ってくれてるのに、






いつか離れてしまうんだ


小学校とも中学とも違う環境。
今まで以上に“卒業”の単語に敏感になってしまう。



同じ夏は二度と来ない────






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