短編3
□ペンギンストラップ
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「楽しかったわね」
イルカやペンギン、ベルーガ、あとなんだっけ?
とにかくたくさんの生き物がいると言う水族館にきた
別に何か目当てがあったわけではないけど、付き合っていつも小説かそのへんで適当にすませていたから
こんなデートって言うのは初めてで
心なしか緊張しちゃったりして
親子のカワウソを見つめるアイツが可愛く見えたりする
いつもの付かず離れずの距離がもどかしくて
まぁ手を繋いだら振り払われた
それでも楽しそうに水槽を眺めるコイツを見てたらこっちまで嬉しかったりして
結構重症だ
「あ、ここよっていい?」
水族館の一角に設けられたお土産屋さん
「何か買うのかよ?」
イルカやペンギンのストラップを物色している
「吉田さんに、ね」
まぁアイツらしい
「歩美ならこのピンクのがいいんじゃねぇか」
ふわふわしたピンクのイルカ
一通り見てそれを取るとレジへ向かった
ぶらぶら待って
いる間にふと目に止まったそれ
何かアイツに似合いそうで
1つ手に取ると俺もレジへ向かった