Sodapop

□弥次喜多サンデイ
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はっとした。

後ろを振り返り、視界に入るものに安堵する。
また前を向いて歩き続ける。


『弥次喜多サンデイ』


「どうしたんだよ」
「別に」


そう言われると思った。
だから当たり障りなくはぐらかした。

紫紺はいつも2歩ほど。いや、1歩半ほど後ろを歩く。
お陰で俺には紫紺の姿が見えない。
もしかしたら、いつの間にか消えてしまってるんじゃないかと不安になり、時々今みたいに振り返る。
紫紺はいつも不思議そうな顔をして、俺を見上げる。

今までいなくなることなんてなかったのに。



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