Sodapop
□雨降っても地は固まらない
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普通ならこんな妨害行為は許されない。
しかし、どうやら親方と銀さんは顔見知りらしかった。
「おー紫紺。銀時が来たから張り切ってるなあ」
「何言ってんだよ照れるだろハゲ!」
銀さんに至っては親方をハゲ呼ばわりだ。
確かにハゲていることに間違いはない。露出した頭皮が夕日でぴかぴかまぶしいくらいだ。
「…はあ」
とうとう銀さんを引き剥がすのを諦め、作業に戻る。
「なあ紫紺」
「なんだよ」
角材を降ろしつつ、横の銀さんに返事をする。
「なんで大工なの?他にも仕事なんていっぱいあんじゃん。せっかくかぶき町なんだしホストとか」
「ホスト?俺そんな柄じゃねえもん」
「いや、お前くらいの器量があればいけんじゃね。酒が弱いのがあれだけど」
突拍子のない銀さんの言葉に思わず笑ってしまう。