Witch

□その気になれば
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無事、女中として雇ってもらえることになった。
相部屋ながら、部屋ももらった。

女中という仕事は、朝早くから夜遅くまで、交代制ではあるものの楽な仕事ではなかった。
女中頭は恰幅の良い中年の女性で、決して甘くはないが仕事を良く教えてくれた。


「あんたは覚えが良いね。一度言えばできるようになる」


見込みあるよ!と、背中を思いきり叩かれた。痛みに耐えながら会釈をしたが、それはそうだ。私は人間じゃない。その気になれば、一度聞いたことは忘れない。
…その気になれば、だが。

局長さんは、うまく説明できないし見た目も変わらないからと、魔女であることは伏せると言っていた。
だから私は、物覚えだけはいいんです。と誤魔化すに留まった。


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