Witch

□たたかう理由 前編
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ふと気になった。
局長さんは、なぜ真選組の局長なのだろう。どういったきっかけで刀を手に取ったのだろう。


庭を竹箒で掃きながら、晴天の空の下、ぼうっと考える。
集められた落ち葉は秋のものとは違い、枝から別れても未だ水分を含み、青さを保っている。

葉をちりとりに集めて、焼却所へ向かう。
途中で駐車場を通りかかると、誰かがパトカーを洗車していた。
天気、いいもんなあ。考えながら歩いていたけど、懸命に車体をスポンジでこする人物のシルエットがはっきりするごとに、自らの目を疑った。


「え、局長さん?」


声をかけたら、そのひとはすぐに振り返る。腕まくりをした泡だらけの手を挙げて、おう桔梗。ご苦労さん。などと言う。


「あの、どうして局長さんが洗車を?私がやります」


急いで駆け寄る。こんな雑用を真選組局長にやらせるわけにはいかない。


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