Witch

□たたかう理由 後編
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待つのはもういやだった。
見知った顔の、温もりをもつ死体をみるのもいやだった。


「桔梗ちゃん、どこ行くの!?」
「すみません、これ貸してください」


制止に入った山崎さんの腰から、刀を抜いた。
ちょっと、という声には振り返らない。


門を潜ると、まるで別世界のようだった。
崩れかけた真選組屯所、爆破により燃え上がる戦火のなか、着物を着た攘夷浪士と隊服を着た隊士が刀を交えている。
地面にはすでにいくつかの身体が横たわっていた。


「大丈夫ですか?」


近くのひとつに駆け寄り、身体を揺すった。ゆっくりとまぶたを開けたら、私の顔を見て眉間に皺を寄せる。


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