小説もどき置き場
□夏休み少年とバク
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「もう限界だ――――」
オレは勢いよくシャーペンを突き放し、ばんざいをしているような格好であおむけに倒れた。
あれから一時間。
まじめに数学のテキストをやっていたものの、見開き1ページしか進まず、オレはギブアップのねをあげた。
「あー! だいたい算数は生きていくためには必要かもしれないけど、数学とか絶対使わねぇーだろ! てか勉強する意味あんのかよ!」
とは言ったものの、結果的に。
「終わらせないと、いけねぇんだよな……くっそ」
最後に悪態をつきながら、ガタン、と思わず自分の足をちゃぶ台の足にぶつけてしまった。
そしてそのひょうしに数学が。地獄のテキストが、オレの顔の真ん中に降ってきた。
「ふぐっ」
…………。
「――――わーってるからちょっと休憩させてくれって」
オレはそのまま。テキストを顔に乗せたまま、意識が遠のいていった。
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