Short story

□やさしいキスをして
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 二人は、「ちゃんとあったかくして下さいよ」とお母さんのように言う新八に玄関方向に押されて、しぶしぶ支度をし始めた。
 三人は外に出て写真を元に捜索を始めた。手っ取り早いところでお登勢とキャサリンのところへ行き、小言をかわしつつ情報を得ようとしたが失敗し、かぶき町の公園でマダオに、路地裏で武蔵っぽい人、大使館の前でヅラに写真を見せた。「ヅラじゃない。桂だ!!!」という声を後にし、道行く人にランダムに「この猫を知らないか」と聞いては有力な話は一つも得ることが出来なかった。
「こんだけ探しても誰も知らないなんて、ホント困りましたね、銀さっ………ん?」
 銀時の顔を見上げたその時、空からゆっくりと掴み取りづらい動きで白くてマシュマロほどの大きさのものが降りてきた。
「雪アル!」
 子供らしい笑顔で神楽は雪を口の中に含ませようと、上を向いてふらふら標準を定めながら喜んでいる。
「やっぱり雪降ってきちゃいましたね…。どうしましょう銀さん?」
「あぁ。これが全部生クリームだったらなァ」
「って僕の話聞いてないですよね!?全然聞く気もないですよね!?!?」
 まったく、と溜め息をつき、もう一度シロミの写真を眺めた。

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