Short story

□ジーザス!ジーザス!
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 ぴくぴくと痙攣して動かない銀時に目も向けず新八は、家中に聞こえるような音を立てながら扉を開け、万事屋を出ていった。
 その日から新八は3日間連絡一つせず万事屋に来ることはなかった。
「何故だッ!?いつも確かにセクハラまがいのことをしたりさせたり言ったり言わせたりしてるのに、あんな初歩的なことでェェェ!新八ィィィ!!!」
「銀ちゃんの場合、まがいじゃなくてそのまんまセクハラアルヨ」
 酢昆布を口に頬張りながら神楽はドラマの再放送を楽しそうに見ている。
「銀ちゃん、新八のとこに行って謝ってくるアルヨ。新八のご飯食べたいヨ」
「マジでか!?つか、お前は自分の為だけかッ!」
 がらがらがらっ、と二人のやりとりを阻止するようにおはようございます、という声が玄関から聞こえてきた。二人はすぐに部屋を出て、その声の主の元へ向かった。玄関で草履を脱ぐ新八の横には、茶色い紙袋が存在を誇示していた。
「もうおはようございますの時間じゃねェぞォ、新八ィ」
 銀時はすぐに謝ることをせず、悪態をついてみせる。すみません、と言うと少し眠たそうな顔の新八は銀時の言葉を気にもせず、自分の持ってきた袋からある物を二人の肩にかけた。

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